【書評】大相撲の「システム」が分かる良書『大相撲の経済学』
大相撲の仕組みを経済学の視点から解き明かし、「なぜそうなっているのか?」を分かりやすく解説する『大相撲の経済学』を読みました。
経済学の知識がなくても読める一冊で、大相撲の「システム」が分かる良書でした。
書籍紹介文
横綱はなぜ特別視されるのか?八百長疑惑はなぜなくならない?力士という職業の特異性から、大相撲というビジネスのしくみまで、経済学の視点で眺めてみると、角界の意外な(?)合理性が見えてくる。
引用元:https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480424280/
目次
- 大相撲を経済学の視点で眺めること
- 力士は会社人間
- 力士は能力給か
- 年寄株は年金証書
- 力士をやめたら何になる?
- 相撲部屋の経済学
- いわゆる「八百長」について
- 一代年寄は損か得か
- 外国人力士の問題
- 横綱審議委員会の謎
- 特殊なチケット販売制度
- 角界の構造改革
- 大相撲から見る日本経済
- 最近の角界をめぐる動き
本文ハイライト
『番付は人事、力士は社員、年寄(の一部)は管理者』
『力士たちが自分の欲求を満たすだけでなく、組織を守るインセンティブも与えられているという意味である。』
書評
自分はNHKのニュースや、テレビで土日の結びの一番を見る程度のライトなファン。大相撲の仕組みも「番付」は分かるけど、「給金」や「年寄り」、「横綱審議委員会」、「茶屋」などはボンヤリとしか分からない。
そんな自分にとって、本書『大相撲の経済学』は大変興味深く、最期までおもしろく読むことができた。説明に難しい用語や概念が持ち込まれることなく、平易で分かりやすい解説に終始しているので、誰でも気軽に読むことが出来ると思う。
伝統文化としての「相撲」が好きな人なら、この一冊はきっと楽しく読めるハズ。経済学の視点から見ても大相撲の特殊性は興味深いと思うので、相撲に興味がなくても楽しめるのでは無いかと思います。
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