ワイヤレスでも「良い音」を諦めたくない人に。5BAのBluetoothイヤホン「Westone B50」レビュー

モニター・サンプリング,音楽

ワイヤレスでも良い音を楽しめる。

静音の空間に流れだす精細な音たち。情報量の多さを楽しむため、そっと目をつぶる。本当は移動中の喧噪の空間なのに、まるで自分の周りだけ音楽のステージが広がっているようだ。

ごく個人的には「移動中に聞くためのイヤホンなんて音質にこだわらなくて良い。ましてBluetoothワイヤレスの音質には期待しない。」と思っていた。でも、このイヤホンで考えを改めた。

ワイヤレスでも良い音は楽しめる。

「Westone B50」フォトレビュー

そんなワケで今回ご紹介いたしますのは、プロが愛用するハイエンドオーディオメーカー「Westone(ウェストン)」から発売されたBluetoothイヤホン「B50」。

B50では低域用が1つ、中域用が2つ、高域用が2つ。合計5つのバランスドアーマチュア(BA)型のドライブを内包しています。

BAって音は精細だけど再生可能範囲が限られていて、それを補うために複数でドライブするのが定番。だけど「音の繋ぎ」の部分をきちんとケアしないと凸凹な音になってしまう。

でもそこはさすがウェストン。音の繋ぎをスムーズにする「クロスオーバーネットワーク」の作りがとても上手で、5BAのB50でも高音から低音まで見事な音の繋ぎ。自分が聞いてる限りではピーク(凸)やディップ(凹)を感じるようなことはありませんでした。

外箱や同梱品も高級機らしく豪華。外箱をススッと上に引きだすと内箱が出てきて…

パカッと開くとイヤホンとキャリングケースが収められています。

イヤホン本体と同梱物を並べるとこんな感じ。添付のアイテムが多くて驚いちゃった。

最初にB50を「Bluetoothワイヤレスのイヤホン」と紹介したけど、実はMMCXコネクタを備えていてリケーブルが可能な上に、有線のケーブルが標準で付属します。

有線ケーブルは当然のように高品質で、4本依り線の銀メッキの銅合金とスペックを見ただけで「良いヤツだ!」って分かるヤツ。つまるところ5BAの高音質な有線イヤホンとしても使えるわけで、おトク感がハンパない!

で、ケーブルをMMCX対応のBluetoothケーブルに付け替えるとワイヤレスイヤホンに早変わり。

このBluetoothケーブルも「良いヤツ」で、aptX/AAC対応、最大8時間の連続再生対応、IPX4の防沫対応。当然ながらマイクもついてるのでスマホに繋げて電話にも使えます。MMCXだから他のMMCX対応イヤホンに付け替えてリケーブルを楽しむコトも出来るわけで、おトク感がハンパないですわ。

さらに「スゲーな!」と驚いたのが、添付されている交換用イヤーチップが豊富なこと。

イヤホンにこだわってる人なら常識的な話しではあるんだけど、「耳に合う」ってすごく大事なのね。どれだけ高音質なイヤホンでも、イヤーピースと自分の耳が適合しないとその性能を充分に楽しめない。

でもB50ならシリコンチップが5種、ウレタンチップが5種付属するので、必ずどれかは耳に合うはず。自分も色々付け替えて試してますが、シリコンチップでも遮音性バッチリで地下鉄でも問題なく快適に音楽を楽しめました。ウレタンならさらに遮音性・装着性が上がりそうなので付け替える楽しみがありますね。

付属品で言うと更にもうひとつ。見た目を変えられる「フェイスプレート」の黒とオレンジが付いていて、装着時の見た目のイメージを替えられるようになってます。

初期状態では黒が付けられてるんだけど、自分はオレンジに付け替えて使ってます。

イヤホンや付属品を収納するケースも、硬質なフルジップケースがついてるので移動や保管も安心。

イヤホン本体はもちろん、替えのケーブル、替えのチップ、充電用ケーブルなどが入る容量充分なケースです。

音質について補足

ここまで基本的に褒めてきたんだけど、音質について少しだけ補足。

B50は当たり前のように高音質で、定位良く、音の繋がりも良く、上下左右の広がりも良いイヤホンです。

だけど公式の売り文句の『大きめの低域ドライバの搭載により、明瞭なサウンドの中に「パワフル」かつ「豊か」な低音が感じられるモデル 』はちょっと疑問符がつきます。

たしかにウッドベースの響きなんかは気持ちよかったけど、世間一般が求める「低音が感じられるモデル」とは開きがあるかなと言うのが正直な感想。

そんなワケで「低音を求めて選ぶモデルではない」と思いますので、そこら辺はちょっと気にかけてもらった方が良いかなと思いました。

おわりに

途中でチョット駄目出しもしてしまいましたが、正直なところ自分の再生環境では未だB50を鳴らしきれていないと感じてます。

CDを非圧縮の16bit/48kHzでリップした音源をPCのUSB DACから有線接続で聞いたけど、まだもっと広がりがあるハズ…と言う感覚が残ってまして、これはもう少し投資して高性能なDAPを買うとか、そもそも音源をハイレゾにしないとB50の性能を活かしきれないのではないかなと。レビュー用に頂いた製品なのに、それ以上の沼にハマりそうで嬉しい悲鳴です。

ひとまずレビューとしてまとめましたが、今後もB50を愛用しつつ周辺環境を含めた「良い音」を求めていこうかと思っています。

5つのBAからなるB50は、低音好きのために大きな低域ドライバを搭載。驚くほど明瞭なサウンドをお楽しみください。|テックウインド株式会社

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本記事はアジャイルメディア・ネットワーク(AMN)のレビューズ経由で「Weston B50」のサンプルを提供いただいて執筆しました。その他の対価等は頂いておらず、記事のチェックなども受けていません。