デジタルオーディオの誤解。デジタルはガタガタ?
mixiの古いトピなんだけど『[mixi] 趣味のオーディオ | アナログ(レコード)VSデジタル(CD・DVD・SACD)』ってのを読んでさ。ここで「デジタルはガタガタ」なる表現があって、やっぱり色々と間違って伝わってるんだな~と思う。
サンプリングして得られるデータはデジタル。だけどそれを復元すると完全なアナログ波形に戻る。決してガタガタにはならない(ただし量子化精度の範囲で)って説明が難しいよな。
そりゃ量子化の精度を超えれば階段状に見えるけど、それは既にデジタルではなくアナログでガタガタなんだよ?なんて理解されないか…
レコードだって物理的な制約による『量子化精度』が存在するとも言えるから、その精度を超えた範囲で観測すれば「ガタガタ」なんだけど、これも伝わらないよな…
オーディオ論議で頻出する『ジッタ』も、「ジッタの存在=デジタルの終焉」みたいな捕え方されてるよね。だけど打ち直せば済むハナシだし、打ち直せないならデータ列が破損する。で、破損することを前提にしてエラー訂正やエラー補正が付いてるし、破損する確率は規格により担保されてるから規格内ならジッタの影響は無視できる。あ、この「無視できる」って考え方が伝わらないのかな~?
あと『ジッタ』は時間軸が絡むから、図とか観測データを多用した説明じゃないと「問題ない」と言うことを理解して貰えないと思うんだよね。それに「ジッタが!」って言ってる人は、PLLの動作も理解できないだろうから「PLLがあるから、そんなに酷いことにはならないんだよ」って説明が通じないだろう。
あ、PLLの動作を理解できないことを卑下してるんじゃなくて、位相同期の理論を説明してもPLLのニュルーンとした動きは想像できないだろうってコトね。アレはなんか、スッと理解が追いつかないもの。
あとアレか、「デジタルといえど電気的にはアナログだ!」って言うの。そんなの知ってるから。知った上でアナログ的な影響を排除して、デジタルデータを復元できるようになってるから。もし復元できなければデータ列がボロボロになってすぐに気付くって。
最後の方になると出てくる「だが!しかし!私は○○のxxな違いが分かる!!」ってのは9割9分がプラセボ。これはデジタル云々に限らないけどね。
プラセボが悪いってんじゃなくて「違いがあると思って聴けば、違うように聞こえる」という事実ね。「事実、違って聞こえる」のは認めるけど、「実際には違いません」というのがおいらの主張だから。
だからプラセボ商品に高額を出す御仁を否定はしないよ。お金を払った分だけ「良い音に聞こえる」のは事実だからね。
でもこれからプラセボ商品を買おうと思ってる人には「実際には違いがないから止めとけ」ってアドバイスを送ります。
あとおいらは『デジタル万歳!』でもないから。A/D、D/Aで損失があるのは間違いない。完全なるアナログを記録できるメディアがあれば、絶対そっちの方が良いと思う。
それに『CDサイコー!』でもないよ。倍音を考えると20kHzじゃ足りないんじゃないのかな~とか考えちゃう。だからといってSACDやDVD-Audioに高額を投じるのはアホっぽい。規格そのままでBlu-rayの「音楽ソフト」が出れば良いのになーとは考えてる。もう世の中にあるのかな?
そんな感じで徒然と書きつづったけど、落ちはないよ。
ディスカッション
コメント一覧
同感です。
メディア云々、方式云々よりも固定観念思い込みによる雑音の方が
脳内フロアノイズとして支配してるんじゃ? とか思うときもあります。
#それを言うと自分も怪しいかもしれません。
オーディオに限らず、姿勢として気をつけたいところですが。
また、アナログレコードのカッティング自体引っかき傷なんですよね。
所望外の傷も入るだろうし。
でも最新の半導体製造技術とかを流用すれば
スーパーアナログレコードとか作れるかも知れませんが、きっとペイしませんよね。
ところでPLLとかありますが、
それってサンプリングコンバート時のCLK変換で生成に使うんですかね。
あとジッター対策って自分は単純に考えてるんですけど、
基本構成は、
(1)バッファメモリ(FIFO)に半分ぐらい溜め込んだポイントから再生開始し、
(2)低精度のCDプレーヤ側出元CLKと
(3)高精度のUSB-DAC側(なんでもいいですけど)叩き直し受けCLK
こんなんですよね?
で、
受け側が速いとバッファ食いつぶしてく方向だし、
受け側が遅いとバッファ滞留してく方向だし、
バッファの深さとCLK精度の相対誤差とを勘定して設計すれば
バッファ食い破る(あるいはオーバーフロー)する危険無く音楽再生は終了すると。
こういう理解でOKなんですよね?
だったら、受け側水晶精度でジッタを限りなくゼロに出来ると単純に言い切れますね。
かなり明快な仕組み。
それでもジッタが、とか云々ならば 自分には説明できないっす。
自作派の方は三田電波あたりから高価な水晶かってやりこんでますよね。
#自分は仕事でしか買ったこと無いですけど。
いっぺんFPGA使ってワザとジッタ入りクロックとか振ってみて
どんなに聞こえるかやってみたい希ガスです。
高精度カッティングを施したアナログレコードと、バキューム方式による平面化対策を行ったプレーヤーなら良い音がするらしいよ。聞いたことがないけど。
PLLは音声の機器間伝送に使われる光デジタル(S/PDIF)がCLKも内包していて、ソース側で引き込み直さないと行けないんだよ。で、データとCLKが同一線上にあるから光ケーブルの歪みやら何やらでジッタが発生して『その汚れたCLKで再生するなんて!』ってハナシになる。
これを解消するため高価な光ケーブルを使ったり、同軸を使ったり、プレーヤー側で打ち直したりするのが「オーディオの常識」みたいな雰囲気。
あと映像になるけどHDMIもTMDSのクロックを引き込まないと行けないのと、それとは別にVSYNC,HSYNCあたりの基準クロックがある。だからHDMIケーブルは高性能なのを使わないとダメなんだって。
だけどまぁ何にしても、バッファリングして普通のクロックで打ち直せば解決だと思うよ。
それとマスターだって44.1kHz「付近」のサンプリングだろうから、出力側でどんなに頑張っても意味ないし。