バイオハザード5、クリア後レビュー
Xbox 360のバイオハザード5を、難易度Amateurでクリアしました。まだまだやることは残されているけど、現在の状態でバイオ５の感想を書いてみます。
最初に特筆すべき事柄として、ムービーの美しさに触れないわけにはいかない。Gears of Warも綺麗だったけど、あんなの余裕で超えてるわ。大げさな言い方をさせてもらえば『ゲームが映画に追いついた』と言えるマイルストーン的な作品になると思う。
幾つかのムービーシーンで「目で会話する」場面があり、それがちゃんと「見られる」のは美麗ムービーのお陰だと思う。言葉や文字ではなく、表情や雰囲気で物語を表現してるんだよね。
特にメイキング映像を見たあとだと、美しさへの賞賛が確信に変わる。単純なモーションキャプチャーに留まらず、実セットを使ってキャプチャーを行うことでキャプチャデータの精度を高めたり、アフレコを兼ねたフェイシャルキャプチャーを行うことで、出来うる限り実世界を取り込んでる。
そしてそれらのデータを重ねあわせてバーチャル空間を作りだし、その空間を『バーチャルカメラ』で撮影することにより、映画的手法を最大限に活用した「映画的な撮影」を行ったみたい。正直、やり過ぎじゃね？って思うぐらいの労力を掛けたお陰で、この美麗ムービーが完成したんだね。
このメイキングで紹介された各種手法は興味深いモノが多かったので、少なからずCG技術に興味があるなら、お近くのバイオ５ユーザーにお願いして見せてもらうと良いよ。ビックリするぐらいチカラ入ってるから。
さてムービーへの賞賛はこれぐらいにして、肝心のゲーム内容について触れていこう。このゲームの面白さを判断すべき材料として、大きく3つの要素があると思う。
- ゲームとしての面白さ
- 二人共同プレイをするか、否か
- このゲームはバイオハザードか？
以下、それぞれについて章を分けて論じていきます。
ゲームとしての面白さ
まず１つ目の「ゲームとしての面白さ」だけど、思っていたより良く出来ている。シーン毎に異なるシチュエーションが用意されていて、ゾンビに囲まれたり、陣地を分けての撃ち合いになったり、迷宮で謎解きしたりと様々に楽しませてくれる。途中で飽きることもなく、テンポ良く最後まで進めたよ。
ストーリーはボチボチ。ざっくりとした感覚で、2時間のハリウッド映画ぐらい？多少物足りない気もするけど、周回を考えるとこんなものかって気もする。
操作方法に関しては、撃ちながら動けないとか、視点移動範囲が狭いというTPSとは思えない制限はあるものの、少しでもバイオ風味を残すための選択なのかと思える範疇。９つのアイテムスロットと十時キー配置のショートカットアイテム使用が良く練られていたので、慣れれば良い感じに戦えるようになりました。
やりこみ要素もかなり多彩。実績コンプを狙うには各レベルの制覇に始まり、数十種類に及ぶ多様な武器をフルカスタマイズし、ガシャポン形式のフィギアを集め、各面に隠されたエンブレムを探索し、毎度恒例のおまけのアレを攻略しなくてはいけません。まだ全容が見えないけど50～100時間は掛かりそうな雰囲気です。
そんな感じでゲーム性だけみれば70～80点の良ゲーだと思います。
二人共同プレイをするか、否か
二人共同プレイ（Co-op）の体験の有無で、このゲームの評価が割れると思う。Co-opシステム自体は良く出来ていて、互いのデータを尊重した上で共闘できるように工夫されている。
本作はオートセーブが採用されていて、区切りの場面でセーブデータが上書きされる。だけど、それとは関係なく好きな場面から始められる「ミッションセレクト」も用意されてるんだよね。そのお陰で「お嫁さんと共にAmateurの3-1～3-3をクリア後、一人でNormalの1-2で遊ぶ」なんてコトが出来るようになってる。
ローカルCoopの画面分割方法も一工夫されていて、単なる上下2分割ではなく、左右カットの16対9を2画面表示してくれます。このお陰で1人プレイと同じ視界でプレイが可能ってワケ。ただまぁ、1人プレイに比べるとカナリ画面が小さくなって、我が家の42インチでも「せまっ！」って言っちゃうぐらいになります。30インチ以下だとロクに画面が見えないかも知れないね。
COOP用のゲームシステムも様々な工夫が施されていて、協力ワザやお助けプレイ、強制的な別行動シーンなど、単なる二人同時プレイに留まらないよう考慮されています。
ただし。一人で遊ぶ場合の相棒操作はAIが受け持ちます。相棒なしってのは選べません。AIも基本悪くない動きをするんだけど、勝手に先に行って殺されるとか、敵を引き連れて帰ってくるとか「イラッとする」場面が出てくるのも確か。さいわいオンラインでもCO-OPすることが出来るので、バカなAIに苛つくよりは、見知らぬ誰かと戦う方が良いのかもね。
そんな感じで「楽しいCO-OP」ありなら+10点、CO-OPなしなら-10点と評価が分かれることになります。
このゲームはバイオハザードか？
バイオハザード1～3とは違うもので、バイオハザード4のブラッシュアップ、と言う印象。3以前のバイオを求めて5をプレイすると憤慨することになると思う。
恐怖感や閉塞感はなく、ゾンビは跳んだり跳ねたり自由自在。どう見間違ってもバイオじゃないよね。
この点、個人的には減点せざるを得ないんだけど、人によっては問題と感じないだろうから判断が難しい項目。ま、でも減点10ぐらいにしておくか。
総評
「ゲーム75点」+「ムービー加点10」+「COOP加点10」+「バイオ減点10」で85点。ムービーに重きを置くか、CO-OPは出来るか、いにしえのバイオを求めていないか？などで大きく評価が変わると思います。
一緒に戦える仲間がいてFPS/TPS好きなら買い推奨。バイオ4は面白かったけどCO-OPが出来ないならプラチナ待ち。1～3以外はバイオと認めないなら見送り推奨です。
