映画「フィクサー」の感想

映画

フィクサー [Blu-ray]

ジョージ・クルーニー主演の映画「フィクサー」を見たよ。淡々としすぎて詰まらなかった。

あらすじ

あらすじ。うだつの上がらない毎日に不満を抱いていたけれど、馬が綺麗だから心を入れ替えるよ。これじゃ意味が分からないだろうけど、まとめると結局そんな感じのストーリー。

もう少し詳細なあらすじ。大手の弁護士事務所で15年も働いてるのに、もみ消し屋(フィクサー)として汚れ仕事しかやらせて貰えない主人公。副業で始めたレストランも、仲間に裏切られて潰れちゃったし、も~サイアクだわ。

そんなある日、巨大企業の集団薬害訴訟を担当していた仲間の弁護士が、長く続く訴訟作業に疲れて大事な会議中に気が触れちゃった。これはもみ消さないと!と駆けつけたけど、気が触れたように見せかけたのはウソ。密かに手に入れていた極秘資料で巨大企業の悪事を暴いてやる!とやる気満々。

巨大企業の法務責任者がこれに気がつき、会社と自分を守るため担当弁護士の殺害を計画。はてさて、結末や以下に?

感想

主演のジョージ・クルーニー、真実をさらけ出そうとする担当弁護士を演じるトム・ウィルキンソン、巨大企業の法務責任者を演じるティルダ・スウィントンの3人それぞれが、素晴らしい演技を見せてくれる。

でも、それだけ。あとは悪いところしか目に付かなかった。

オープニングで山場のシーンを見せ、その後時間を遡ってストーリーが進みはじめるサスペンスっぽい手法を取ってるんだけど、実はオープニングでみたシーンは山場とは言えないシーン。と言うか終始淡々と進んで、山場らしい山場はついぞない。

最後にどんでん返しらしきモノが用意されているが、ぶっちゃけ使い古された手で「ふーん」としか思えない。巨大企業の悪を暴く!的な社会派サスペンスなのかと思って見てたので、とても裏切られた気分だ。

ジョージ・クルーニーの演技も、各シーンを切り取ってみれば素晴らしいんだけど、ベースとなる「落ちぶれた弁護士」感が出ていない。最低ラインの「ダメ男」まで行っておらず、どこかに「イイ男」が残ってるんだよね。その影響で最後の改心もカタルシスを感じられず、終始淡々としたストーリーになってしまっている。

タイトルが「フィクサー」なのに、もみ消し屋として活躍するシーンがないのも問題。これは邦題やキャッチコピーで誤解させた、日本の配給会社のミスだと思う。原題は主人公の名前である「マイケル・クライトン」だそうなので、原題ママにするか、それに準じた「マイケル・クライトンの不運な日常」あたりにしておけば良かったのに。

主題が見えず全般に渡って散漫なストーリーになっているのもダメ。主人公の悲哀を描きたいのか、絡み合う人間ドラマを見せたいのか、スリリングなサスペンスを感じて欲しいのか。たぶんその全てを描きたかったんだろうけど、どれも描ききれていない。

何度も言うけどホント淡々とした詰まらない映画だったわ。100点満点で20点。