「π」は「3.14」ではない
円周率「π」は「3.14」ではない。
ここでは円周を求める公式「2πr」を例に挙げ、この公式は「2×半径×3.14」ではないことを説明する。
「π」は超越性を持つ
円周率を示す「π」は超越性を持つ。2つの整数の比で表すことはできない無理数であり、有理数を係数に用いた有限次の代数方程式の根とはならない超越数である。つまり四則演算や累乗根の有限回の計算では求められない。
ここまでをガッツリ噛み砕いて言うと「πは小数点以下が無限に続く」ってコトな。
「2×半径×3.14」の意味
さてここで「2×半径×3.14」を思い出そう。この式は概算により円周の近似を求める場合に使われる。
πのように「無限に続く数」は手計算に用いることができない。そのため一般的にはπに近い値を用い、円周の近似値を求める「概算」を行う。
概算に使用するπの値だが、小数点以下2桁があれば円周の精度としては十分に近似した値が求められることから、一般的な円周の概算ではπの近似値として「3.14」を使うことが多い。
要はザックリの値が分かれば良いんじゃね?ってコトな。
円周率は3じゃダメ?
しかし「π」は長い間「3よりわずかに大きな数」として認識されていたし、仮に円周率を「3」としても、概算の精度が落ちるだけで円周を計算することはできる。
以下に半径10cmの円を仮定し、6種類の近似値を用いて円周を計算した値を示す。
円周率 | 円周(cm) |
---|---|
3 | 60.000 |
3.1 | 62.000 |
3.14 | 62.800 |
3.141 | 62.820 |
3.1415 | 62.830 |
3.14159 | 62.832 |
この場合、πの近似値を3として計算した場合と、3.14として計算した場合の差は2.8cmある。しかし「どちらかが正しい」と言うわけではなく、双方とも概算に過ぎない。
実際問題に置き換えると「ざっくり60cm」で問題ない場合もあるだろうし、もっと正確にミリメートル単位の精度が必要になり「円周率3.14159」で計算し直す場合もある。
つまるところ「ゆとり」の代名詞にもなった「円周率は3」で問題ないケースもあるし、「ゆとり以前」の「円周率は3.14」でもダメなときもある。
何にせよ概算なので、結局は「πの意味」を知らないとダメ、ってことをお伝えしたくて一記事計上したわけなんですよ。
ディスカッション
コメント一覧
天文分野だとオーダーが問題なので「え~、πはだいたい1ですから~」という話もあるようです。
あと、あげられてる具体例だと桁を落して下限は切られてるんですが、上限を切ってないので近似の考え方としてもあまりよくないかなと。
それと肝心な
「結局は「πの意味」を知らないとダメ」について、何がダメなのかイマイチよくわからんかったです。
コメントありがとう!
「πはだいたい1」ってスゴイね、確かに大体で言えば1か!
「上限を切ってない」ってご指摘は意味が良く分かりませんでした。すいません。
「結局は「πの意味」を知らないとダメ」は「π=3でも良いだろ」から始まるネタなのです。長文の分かりにくいネタで生きててゴメンなさい :cry:
ども、はおです。
ひでとさんのように物事を真っ直ぐに見られない私は
実はπってもっとスッキリした数なんじゃね?と疑っています。
1年だって365日じゃ足りないから閏で帳尻合わせてるし・・・
なので、かなり根っこの部分で計算間違いしている気がしないでもないんですよねぇ。
「ほら、こう考えると全部スッキリしちゃうんだよ!」みたいな法則があるような気がしてなりません。
勿論無いのかもしれません。
はお@解り難いコメントですみません。
コメントありがとうございます。
仰ることは何となく分かる気がします。
個人的な予想では3次元上における円ではなく、もっと高次元から見下ろすとスッキリする値じゃないかと思います。
リーマン予想ではないですが、πも未だに知られていない「ルール」の中にいるのかも知れませんね。