話題の高級扇風機が新型に、自然界の風を再現する「GreenFan Japan」発表会まとめ
話題の高級扇風機「GreenFan」を販売するバルミューダ株式会社が新商品の発表会を行うと言うことで、原宿クエストホールに行ってきました。
いまあえての国産化!
これまでに無かった首振り機能搭載!
ACアダプタの不便さに対するバルミューダからの答え!
デザイン参謀にあの人が!?
などなど、家電マニアの自分は思わず熱くなる発表会でした。
そんなわけでバルミューダ新商品発表会の模様を写真を交えて紹介したいと思います。
おなじく会場前に陳列されていた、これまでのGreenFanファミリー。ここに新しい製品が加わります。
発表会の冒頭では5分ほどのプロモーションビデオが流されました。RUN、スマイル、日本などをモチーフにした熱い雰囲気を持ったPVで会場が盛り上がります。
PV終わりでバルミューダ株式会社 代表取締役社長の寺尾 玄氏が登場。
2010年に発売された初代GreenFanの紹介。独自の羽根で自然界の風を再現、世界で初めてのDC扇風機、最小運転時4Wの消費電力、静かな運転音、シンプルで現代的なデザイン。
初代GreenFanの開発秘話紹介。どうすれば自然界の風を再現できるか考えていた時、2つのヒントがあったそうです。
ヒント1、町工場での風景。寺尾社長が訪れたある工場では、扇風機の風を壁に当てて使っていたそうです。なぜそんなことを?と質問すると「直接当てると不快な扇風機の風も、壁に当てると優しい風になる」と教えてもらったとか。
扇風機の風が不快なのは風に渦成分があるため。しかし風を壁にぶつけると渦成分がなくなり、面で移動する優しい風に変化する。その事に気がつき、風をなにかにぶつければ良い!と言う発想に到ったそうです。
ヒント2、30人31脚。ある時、寺尾社長がテレビを見ていると、二人三脚を30人で行う30人31脚が行われていたそうです。遅い子と早い子で走る速度が違うので、巻き込まれるようにぶつかる…
そのシーンを見て思いついたのが、内側は少なく外側に多くの風をながすことで風に速度差をつけること。
これが2重の羽根構造を持つGreenFanの「グリーンファンテクノロジー」。
独自の羽根の形で自然界の気持いい風を再現した初代GreenFan。一台3万円を超える高級扇風機でしたが、1万台以上売れる大ヒット商品になりました。
その後はサーキュレータ、空気清浄機、加湿器などをラインナップ。売り上げは51倍になり、社員も50名を超えるまでに成長。現在は新製品のすべてを社内で開発しているそうです。
GreenFanの制御プログラムと思われるコードが一瞬表示されました。雰囲気的にC++かな?
ここまで新商品のPVでした。この映像、カッコ良かったのでYouTubeで見られるようにして欲しいです。
GreenFan Japanは山形県米沢市で生産される「MADE IN JAPAN」製品とのこと。
GreenFan Japanの風は15メートル先まで届くことを不織布を使って実演。
消費電力の比較。GreenFanの最小動作時電力は1.5W。一般的な扇風機と比べると20分の1となるそうです。
エアコンとの電気代比較。6月から9月まで毎日18時間使用した場合を想定した比較では、エアコンは6,424円、GreenFanは72円。
最小動作音は13dBで、蝶2匹が羽ばたいた時の音と同程度とのこと。
オプションでバッテリー&ドックを提供。バッテリーパックを本体ベース裏面にセットするとコードレス扇風機としても使える。バッテリー駆動時間は最大20時間。
ドックの上に本体を置くだけで充電されるので、アダプターを抜き差しする手間もなくなるとのこと。GreenFanはACアダプタが必要で移動が不便なことが不満でしたが、ドックを用意してくるとは驚きでした。
あたらしい首振り機構。首振り運転の範囲を自由に、しかも簡単に設定できる。首振りの最大角度も150度と従来の約2倍。
自由度の高い首振り機構が搭載されたのは地味ながらも評価したいポイント。あると便利なのに今まで誰も作れなかった新機能ですね。
使いやすさへのこだわり。ポールを付け外しすることで2段階に高さ調整が可能。リモコン付属。操作部は手が届きやすい上部。ACアダプタは回転式。
価格発表。本体は税抜き35,000円、バッテリー&ドックは税抜き8,900円。
価格は前機種よりさらにアップ!消費税8%を含めると37,800円で気軽には人に勧めにくい値段です。
トークセション
司会進行としてデザインジャーナリストの川上典李子氏が登壇。続いてカーデザイナー、プロダクトデザイナーの和田智氏が登壇。寺尾社長を交えて3名でのトーク。
カーデザイナーの和田さんは、日産自動車を経て1998年からAudiに移籍。2009年に独立しデザインスタジオ「SWdesign」を設立。
AudiではA6、Q7、そして2005年世界カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した「アウディ・A5」(C6)のエクステリアデザインを主導。2007年「ニューズウィーク日本版・世界が尊敬する日本人100人」にも選ばれました。クルマ好きなら知ってるであろう高名なお方です。
その和田さん、実はバルミューダの社外デザインディレクターとのこと。2週間に一度「SWミーティング」と呼ばれる打ち合せが行われ、開発中のバルミューダ製品にデザインのダメ出しなどを行っているそうです。
和田さんは色々と語ってらしたのですが、中でも「新しいと美しいは違う」「新しいは飽きるが、美しいは100年たっても飽きられない」などの言葉が心に残りました。
今後、和田さんとの対談が掲載される特設サイトも始まるとのこと。個人的にかなり楽しみです。
新商品タッチアンドトライ
続いて「新商品タッチアンドトライ」のコーナー。
正面から見た本体外観。GreenFan, GreenFan2と比べると、丸みを減らしてカチッとした格好良さを追求してきた印象です。
後ろから。モータ部がスッキリしてるのは美しくて良いですね。接合部にチラ見えするアルミジョイントもセクシーです。
操作部が上部ファンのうしろ側にあるのもGreenFanの特徴です。
ベース部分。2列4個のLEDで上段がオフタイマーの時間、下段が風量を示すそうです。
中間ポールを外してショートサイズにしたところ。この形態でサーキュレータとして使えば、年中GreenFanの出番がありそうです。
ブロガー限定、寺尾社長への質疑応答/撮影会
今回Ripreさんのブロガー枠で参加したのですが、ブロガー限定の質疑応答と撮影会の機会を設けて頂けました。
と言うことで目線バッチリの寺尾社長。ananに扇風機が似合う男ランキングがあったら一位に選ばれると思います。
続いて質疑応答。要旨をまとめました。
Q. ターゲット層の想定はある?
A. ターゲットを前提とした開発ではなく、問題を解決する事を考えて開発している。たとえば加湿器は水タンクの入れ替えが不便だから作った。いよいよ製品になりそうだと思ったときにターゲットを考慮に入れるが、開発では欲しいモノを作る。マーケティングはしていない。考えるのもメーカーの仕事。
Q. 生産地に米沢を選んだ意味は?
A. 良い提案をしてくれた優れた工場があったから。
Q. デザインのポイントは?
A. モーター部のスリムさと、モータと中間ポールのつなぎ部に一度アルミを入れてあるところ。GreenFanは後ろから見た姿がカッコいい扇風機。
Q. GreenFanは狭い部屋には向かないのか?
A. そんなことはない。ただし近すぎするとグリーンファンの風にならない。60センチぐらい離れてほしい。遠くても大丈夫。
Q. 動作音が静かなので子供用や妊婦さん用にアピールしてほしい。プロモーションの予定はないのか?
A. プロモーション自体が今回のイベントが初めて。元々広告費がやすい会社だったが、自分たちの言葉で伝えられないもどかしさがあった。一番弱い風は子供向けを想定している。秒速50センチのゆっくりとした風。
Q. 特許は取得しているのか?
A. 羽の形は日本で取得済み、海外でも申請中。
Q. 寺尾社長は扇風機だけで夏を過ごしてると聞いたが、扇風機だけの生活を他人にも勧められるか?
A. 室温が低い以外にも、風を送り気化熱が発生することでも涼しくなる。これまでの扇風機は不快で風に当たり続けられなかったが、グリーンファンなら風を浴び続けられるので涼しさが続く。エアコンと併用するとさらに涼しいので試して欲しい。
おわりに
今回発表されたGreenFan Japanは、2年ぶりの「フルモデルチェンジ」です。
最近の家電でフルモデルチェンジと言うと、スマホに繋がったりナノイーが出たりするモノ。そんな中、GreenFanは「新機能」を押し出すのではなく、気持ちよさのブラッシュアップで勝負してきました。
正直、税抜き35,000円の価格では、誰にでも勧められる製品とは言えません。ですがGreenFanは気持ちの良い風を、遠くに、静かに、欲しい場所に送ります。部屋にマッチする美しさも備えています。
「欲しい」と思ったら買う。そんなシンプルな選択が似合う扇風機なのかなと思いました。
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