【書評】好奇心でいっぱいなR.P.ファインマンの自叙伝『ご冗談でしょう、ファインマンさん』(上)(下)
天才的な物理学者「リチャード P. ファインマン」の自叙伝…ではあるが、難しい内容は少な目。
ノーベル物理学賞を授賞した天才である前に、原爆を開発したマンハッタン計画の関係者である前に、「好奇心」が溢れる愉快な人物であることが分かる一冊。
書籍紹介文
少年時代より変わらぬ,あくなき探求心といたずらっ気….20世紀を代表する物理学者が,奇想天外な話題に満ちた自らの人生をユーモアたっぷりに語る.ノーベル賞受賞をめぐる顛末,また初来日の時の“こだわり”など,愉快なエピソードのなかに,とらわれぬ発想と科学への真摯な情熱を伝える好読物.
引用元:https://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/60/3/603005+.html
目次
上巻目次は以下の通り。
ふるさとファー・ロッカウェイからMITまで
- 考えるだけでラジオを直す少年
- いんげん豆
- ドア泥棒は誰だ?
- ラテン語? イタリア語?
- 逃げの名人
- メタプラスト社化学研究主任
プリンストン時代
- 「ファインマンさん、ご冗談でしょう!」
- 僕、僕、僕にやらせてくれ!
- ネコの地図?
- モンスター・マインド
- ペンキを混ぜる
- 毛色の違った道具
- 読心術師
- アマチュア・サイエンティスト
ファインマンと原爆と軍隊
- 消えてしまう信管
- 猟犬になりすます
- 下から見たロスアラモス
- 二人の金庫破り
- 国家は君を必要とせず!
コーネルからキャルテクへ ブラジルの香りをこめて
- お偉いプロフェッサー
- エニ・クウェスチョンズ?
- 一ドルよこせ
- ただ聞くだけ?
下巻目次は以下の通り。
コーネルからキャルテクへ ブラジルの香りをこめて(続)
- ラッキー・ナンバー
- オー、アメリカヌ、オウトラ、ヴェズ
- 言葉の神様
- 親分、かしこまりました!
- 断わらざるを得ない招聘
ある物理学者の世界
- 「ディラック方程式を解いていただきたいのですが」
- 誤差は七パーセント
- 一三回目のサイン
- 唐人の寝言
- それでも芸術か?
- 電気は火ですか?
- 本の表紙で中味を読む
- ノーベルのもう一つの間違い
- 物理学者の教養講座
- パリではがれた化けの皮
- 変えられた精神状態
- カーゴ・カルト・サイエンス
本文ハイライト
『諸君に第一に気をつけてほしいのは、決して自分で自分を欺かぬということです。己れというものは一番だましやすいものですから、くれぐれも気をつけていただきたい。』
『僕たちは「できるけどやらないだけのことさ」といつも自分に言いきかせているわけだが、これは「できない」というのを別な言葉で言っているだけのことなのだ。』
『若者はすべからく広い世界に出て、外を見てくることだ。事物の多様性を知ることは大切なことだからだ。』
書評
良く言えば天真爛漫、天衣無縫。悪く言うと空気を読まない奇人変人。
天才物理学者が物理学者らしい思考経路で、真面目も不真面目も問わず、とことん追究していく姿が描かれる。
ノーベル賞を受賞するような天才が、こんなチャーミングな人だなんて!科学や物理学を専攻するなら、この考え方や発想方法は学ぶべき!と言う捉え方も出来るのだろうか…
自分は悪い方ばかり目について面白く感じらず、印象で言うとオッサンが飲み屋で部下に聞かせる「俺も昔はヤンチャでなぁ!」って話しにしか思えなかった。
ファインマンさんが研究熱心で、なんにでも好奇心を持ち、徹底的に探求する姿勢はスゴいんだろうけど、この本に書かれてる内容をコミカルに受け取る度量は自分にはありませんでした。
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