「RPGタイム!~ライトの伝説~」レビュー、怖ろしいまでの作り込みだがゲーム性は高くなく楽しめる人を選ぶ
2022年3月10日に発売されたXbox/Windows用のゲーム「RPGタイム!~ライトの伝説~」をクリアしました。怖ろしいまでの作り込みに惹かれながらエンディングまで辿り着き、実績が残っていたので2周目をクリア。無念なことに開かない実績が残ったのですが充分満足しました。
1周は6~8時間ぐらいかな?メインストーリーだけ押し進めればプレイ時間の短縮は可能だと思いますが、システム的にゆっくり楽しんでもらいたいゲームです。
見るべきところが多いゲームですが万人受けするタイトルではないと思うので、クリア後の感想をブログ記事としてまとめておきます。
「RPGタイム!~ライトの伝説~」はどんなゲームなのか?
ゲームタイトルとして「RPGタイム」という名を冠していますが、いわゆるJ-RPGではありません。画面上の気になるポイントにカーソルを動かして選択するとストーリーが進むクリックポイント式のアドベンチャーゲームです。
ただし普通のアドベンチャーゲームではなく「同級生のケンタくんが作ったお手製のRPG風ゲームを遊ぶ」という体裁。紙のノートに鉛筆に消しゴム、段ボールで作られた操作ボタン、ドットビーズで作られたキャラアイコンや装備品など、絵も工作も上手なケンタくんが精魂込めて作ったRPG風ゲームを遊ぶ、と言うゲームなんです。
「RPGタイム!~ライトの伝説~」の良さ
この「ケンタくんと遊ぶ」という部分が異常なレベルで作り込まれていて、紙製ノートに書かれた手書きの絵が手書きタッチのままグネグネと動き回り、音楽も「ケンタくんが好きなゲーム音楽を音楽プレーヤーで流す」という体裁でいかにもJ-RPGな曲が流れます。
他にも「ゲームの説明書」がゲームになっていたり、「ゲームのオプション画面」までケンタくんのお手製だったりとケンタくんの創作意欲にちょっと引くぐらい。そしてこれを世に送り出した制作陣に畏敬の念を抱くほどです。
その中でも一番「そこまでやるか!」と思ったスクショを張っておきます。仲間となるキャラクターたちの紹介画面で、ケンタくんがキャラクター模型を作り、それっぽい風景で撮影し、その写真を紹介画面として使ってる体裁ですが、たぶん実際に制作者が粘土模型を作って撮った写真をゲーム中に取り込んだんだと思います。
「RPGタイム!~ライトの伝説~」の気になるところ
ゲーム中ゲームとなる「ケンタくんが作ったゲーム」は「魔王がお姫様をさらい、勇者が姫を助けに向かう」というド定番もの。ストーリーは支離滅裂でご都合主義的な部分も多く、冷静にゲームとしてみると完成度が高いとは言えません。「小学校の同級生が作ったんだな」という暖かい理解が必要です。
テレビゲームとしてみた場合も、主人公が走れずゲームテンポが悪いこと、セーブデータが1つのオートセーブのみで巻き戻してのプレイができないこと、ステージセレクトの概念がなく周回がやりにくいこと、実績解除状況が不明瞭で周回意欲が湧かないことなど、気になる点もありました。
「RPGタイム!~ライトの伝説~」が向く人、向かない人
「ゲーム制作者を目指す小学生のケンタくんが全力で作ったゲームを一緒に楽しむ」と言う観点で見るなら、これはまさに「ロールプレイングゲーム」。ケンタくんの熱量・創作意欲を全力で受け止めて「一緒に楽しむ!」という気持ちになれれば傑作ゲームだと思います。
いわゆるJ-RPGを期待したり、爽快なストーリーや難しい謎解きを期待してると期待ハズレとなるでしょう。
おわりに
自分は個人的に「Xbox推し」ではあるんですが、このゲームがXbox/PCでしか遊べないのはゲーム業界にとっての損失では無いかと思います。Switchやプレステなど他機種への移植や、スマホ版のリリースなど、間口が広がることを願いたいです。
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