子ギツネが主人公のアクションゲーム『TUNIC』レビュー、キャラが可愛いく謎解きは面白いが難易度は高い
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子ギツネが主人公のアクションゲーム『TUNIC』をクリアしました。ストーリークリアまで20時間ほど、全実績解除まで+10時間で合計30時間ほど遊んだのでゲームシステムの説明や感想をお伝えします。
2Dゼルダ風のアクション+謎解き
ゲームシステムとしては斜め上から見たクオータービューの2D画面。気が付くと島に流れ着いていた主人公が、島の奥に進むと折々で目的・目標が提示されるが一筋縄では辿り着けず。敵を倒したり謎を解いたりダンジョンに潜ったりして先に進む、いわゆる「2Dゼルダ風」のゲームです。
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アクション的にはいわゆる「ソウルライク」。ステージには動き回る敵が徘徊しており、剣やバクダンなどで攻撃。最初のうちは自身の体力が低い上に武器も弱く、敵への対応方法も分からずアッサリ死にます。死ぬとその場にゴールドを落とし、最終セーブポイントから復活。死んだ場所に戻ると先ほど落としたゴールドが残っていて回収可能となっています。
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アクション難度は高いですが、オプションで好きな時に「体力無限」「スタミナ無限」を選べるようになっており、このオプションを使ってもデメリットはありません。苦労するアクションシーンでは「体力無限」にすることで、誰でも進めるような親切設計になっています。
このゲームはクォータービューになってるのもポイントのひとつ。斜め上視点のため、地形や建造物の裏は見えないのですが、その見えない個所に道が隠されていることがあり、奥に進むと宝箱やショートカットルートを見つけることも。
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特にショートカットルートに関しては「あっ!」と驚くものが多く、苦労して辿り着いた地点の横道から入口付近に繋がってたりしていて、制作側のイタズラ心に感心しきりでした。
美しい世界と心地よい音楽
プレイ画面を見ると分かるように、自身やアイテム、敵キャラを含めて可愛らしいデザインで、見ているだけで楽しくなる世界です。
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音楽も充分に凝っていて、冒険の邪魔をしないが雰囲気を盛り上げる丁度良い音楽が60種類用意されてるとのこと。サウンドトラックとして別売されるぐらいに充実したBGMです。
☆ Steam:TUNIC (Original Game Soundtrack)
説明書を集めろ
このゲームで特徴的なのが操作方法やゲームの説明がない代わりに「説明書のページ」がゲーム内に落ちていること。
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説明書には操作方法や地図、敵の攻略方法や謎解きのヒントなど様々な情報が載っているのですが、基本的にTUNIC語で書かれているため、一部しか読むことが出来ません。
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でも絵やスクリーンショットとして描かれている内容や、一部だけ読み解ける単語と実際のゲームプレイを付き合わせることで、ある時突然に「説明書が読める・分かる」のです。
ここが面白さのキモでゲーム的にシステムが開放されて出来るようになるのではなく、ゲーム内には最初から実装されているけど、プレイヤー自身がメタ視点で説明書を理解する瞬間が訪れることで新たなアクションを行えるようになる。いわゆるアハ体験だと思うんですが、これまで分からなかったり出来なかったりしたことが急に出来るようになる瞬間が実に気持いいです。
ストーリーは驚きあり
最初はキャラの可愛さや島内のほのぼのした雰囲気にダマされそうになりますが、物語を進めていくと少しずつ違和感を抱くようになります。
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ステージ構成などでずっと不思議だったアレやコレやの謎が少しずつ解かれていき…
最終ステージ近くでは、「ええっー!」と思うようなシーンも。
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かわいい見た目にダマされがちですが、これはオトナ向けのゲームです。
クリア直前の謎解きが理不尽な難しさ
プレイ時間にして16時間ぐらいまでは驚きと楽しみに溢れたゲームだったんですが、あるとき突然「詰まった」状態になりました。四苦八苦するも進むべき方向が分からず、仕方なく海外の攻略情報を漁って解決しましたが、解法を見た後でも「こんなの分かるわけ無い」と思わせる理不尽な難易度。
調べていくうちに思ったのは個人の知力だけでのクリアを目的としてないのでは?と言うこと。SNSでプレイヤー同士が交流することで集合知としてクリアできるような難易度を目指しているのではないかと感じました。
そんなワケで最後付近はほぼ必ず詰まると思うので、Googleで攻略サイトを探すか、ここのコメント欄で聞いてもらうか、Twitterの私のアカウント @hideto に質問してください。攻略情報は海外英語サイトとなりますがIGNのWiki Guideが一番良くまとまっていると感じました。
総評、Game of the Yearも狙える傑作
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ラスト付近の謎解きには不満が残りましたが、それ以外は楽しさと驚きに溢れた素晴らしいゲームでした。説明書を読み解いたときの快感、隠されたルートを見つけたときの驚き、手強いボスに叩きのめされつつも繰り返し戦いを挑みたくなる難易度。インディーズゲームではありますが、今年のGame of the Yearにエントリーされること間違いなしの傑作です。
プラットフォームはXboxとSteamに限られますが、Xbox Game Passにも対応していますので、加入済みの人は忘れず遊んでみて下さい。
オマケ、ちょっとしたアドバイス
オマケにちょっとしたアドバイスです。なにも知らずにプレイしたい人はここでお帰り下さい。
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- 説明書はじっくり読みましょう。説明書を理解できるかどうかで難易度が変わります。このゲームで必要なことはすべて説明書に書いてあります。
- アクションゲームとしての難易度は高いですが、無理だと思ったらサクッと無敵になりましょう。デメリットはありません。
- 貯金箱は割らないこと!
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