HDMIケーブルの品質測定結果

HDMI,オーディオオカルト

MONSTER CABLE HDMIケーブル (4m) M1000HDMI-4M

Gizmodo.comに、各種HDMIケーブルの電気的特性を測定した結果が載っていました。5ドルの激安ケーブルから最上級モンスターケーブルまでを測定しているので、HDMIケーブルを購入する時の参考になると思います。Gizmodo.comの結果から分かる事がいくつかあるので、ちょっとまとめておきますね。

追記:>>409を参考に、表を付け加えてみました。

試験では短距離と長距離のケーブル、それぞれについて「現在の仕様」と「未来の仕様」でテストしています。「未来の仕様」の意味は後述するけど、とりあえず無視して大丈夫。まずは「現在の仕様」のみに着目してください。

もし「アイパターン」の意味が分かるなら、元ネタのページもご覧頂き、各ケーブルの測定結果写真もご覧下さい。安いケーブルでもしっかり目が開いているのが確認できると思います。

短距離

ケーブル(全て2m) 価格 現在の仕様 未来の仕様
720p 8-bit 1080p 8-bit 1080p 12-bit 1440p 12-bit
Monoprice 6ft HDMI 1.2a $4.79 ×
Monoprice 6ft HDMI 1.3 CL2 安い ×
Monoprice 6ft Heavy-Duty CL2 $15.44 ×
XtremeHD 2-meter HDMI 1.3 $20 × ×
Monster Cable 2-meter $120

まずは2メートルの短距離勝負。普通の人はこの長さがあれば十分なので、一番大事な試験結果ですね。結論としては5ドルのケーブルでも電気的特性は十分確保できており、1080pの試験を優秀な成績でパスしています。モンスターケーブルなど他のケーブルも当然のように合格。2m以下なら「何を買っても大丈夫」と言えるかと思います。

ただし、XtremeHDなるケーブルが「未来の1080p試験」で脱落、Monopriceなケーブルも「未来の1440p試験」で脱落しています。

これを踏まえて短距離での性能を価格に置き換えて表すと「$120 > $5 > $20」となり、価格と性能が比例しません。これでは何を買っていいのか判断に迷うところですが、引用元では「脱落した$20ケーブルは、10メートルのHDMIケーブルが販売されていない。その理由は想像できる。」とあります。

かみ砕いて言うと「10メートル以上の長いケーブルを販売しているメーカーなら、短いケーブルの品質も期待できる」ってことでしょうか。10メートル版の品質を確保できる技術があるなら、2メートルケーブルの品質も余裕で確保できるはずですからね。

注意して欲しいのは「どのケーブルも現在の仕様はクリアしている」と言うことです。今から高価なMonster Cableを買って「未来の仕様」に準備するよりも、必要になったときに「未来仕様」の廉価なケーブルに買い換えた方がお得だとは思いませんか? :-)

長距離

ケーブル(長距離) 価格 現在の仕様 未来の仕様
720p 8-bit 1080p 8-bit 1080p 12-bit 1440p 12-bit
Monoprice 35-ft In-Wall CL2 $35.17 × × ×
Monoprice 50-ft In-Wall CL2 $53.64 × × ×
Monster 10-meter $230 × ×

続いて10メートル以上の長距離では、廉価なケーブルが1080pの試験に脱落しています。$230のモンスターケーブルは1080p試験をパスしているので、ここはさすがの面目躍如と言うところ。引用元では「取り合えず安いケーブルにチャレンジする方が賢いと思うが、機器をアップグレードする時はケーブルを買い変えないとダメかも。」とまとめています。

おいらも取り合えず安いケーブルにチャレンジすることをお勧めしておきます。運良く映ればメッケものですし、もしホワイトスノー(白潰れ)が起きたり画面が映らなかったりしたら、買ったところに文句を言って交換してもらえば良いんですからね。もしかすると機器買い替えに併せてケーブルも買いかえる必要が出るかも知れませんが、それにしたってモンスターケーブルを買うより安く上がるはずです。

「未来の仕様」について

「未来の仕様」は天井ぶら下げプロジェクタにBlu-rayプレーヤーを繋げる環境を仮定し、この環境でケーブルを壁に埋め込んで使っても5年は安心できるようにって想定で試したみたいです。

しかし、未来仕様での長距離試験はモンスターケーブルですら不合格。これでは結局、未来仕様が現実になった時点でケーブルを買い換えなければ行けません。「高級ケーブルでスペックに余裕を持たせ、先々の仕様にも対応」と考えている人は、ちょっと考え直した方が良いかもしれませんよ。

拙訳

参考までに、Gizmodo.comの元ネタを大雑把に訳した文章をおいておきます。測定結果などの画像は持ってきていないので、詳しく知りたい人はソースに当たってくださいね。

モンスターケーブルの真実、パート2(結論:安いケーブルで十分…普通は)

先週の月曜日、ブライアンと私は、HDMI Cable バトルモードのためのテストを行うため、ブリスベーン(カリフォルニア)でMonster HQを続ける機会がありました。

今回、私たちはビックリするような値段を付けられたケーブルがいっぱいに詰まったバッグを持ってきました。私たちは帯域幅のテストを走らせる準備ができていました。ほとんど単一価格で扱われるような廉価なケーブルから、Monsterの最上級ケーブル(憎たらしい事に最も高価)までを一緒にテストします。

私たちの調査結果はどうなったでしょう?

1) 最大6フィート(2メーター)の短距離では、あなたはどんなケーブルでも問題なく使えるでしょう。普通にみなが良く使う2メートルまでの長さは、廉価なケーブルが他を打ち負かしました。

しかし、すべてのケーブルが同じでいうわけではなく、実は中程度の値段のケーブルがボッタクリでした。

2)より長い距離では、安いケーブルは言葉に詰まる傾向があります。 720p信号は通りましたが、しかし現在標準の1080p信号を長いケーブルに通すとダメでした。あなたが1080pプロジェクタを天井にぶら下げて、Blu-ray や HD DVDプレーヤーを繋げようとしているなら、これは問題になります。

テストでは、HDの映像信号を合成してデジタル信号をケーブルに通しました。これは「現実の世界」(720pと8bit 60Hz 1080p)と「未来の世界」(12bit 60Hz 1080pと12bit 120Hz 1080p)に分けられます。気をつけて欲しいのは「未来の世界」は、現在は存在しないと言う事です。これが問題になるのは、あなたが壁の中にケーブルを通したくて、5年はそのまま使いたいと言う時だけです。

OK、すぐに結果を知ることも出来ます。でも、どのようにテストしたかを理解してから、私たちが見たものを見たくはありませんか?

上の画像を見てください。左の箱はアンリツPulse Pattern Generatorです。 HD映像をシミュレートするために、HDMIケーブルの中で3つの経路の1つの下側に信号を送るので、その時々で信号は「1スレッド」のビデオ形式の帯域幅になります。 私たちが行った帯域幅テストのリストは以下の通りです。

REAL WORLD(現実の世界)
" 720p 8-bit 60Hz = 742 Mbps (x3)
" 1080p 8-bit 60Hz = 1.65 Gbps (x3)

FUTURE WORLD(未来の世界)
" 1080p 12-bit 120Hz = 4.455 Gbps (x3)
" 1440p 12-bit 120Hz = 8.24 Gbps (x3)

ケーブルに信号が送られた後、テクトロニクスDSA8200 Digital Serial Analyzerで性能を測定しました。テストはこのように進みます:デジタルは全て’1’と’0’です。しかしケーブルに送られるものは電流です。たくさんのデータをみすぼらしいケーブルで送ると、信号を受ける側では、何が’1’で何が’0’なのか分からなくなります。結果的に画面全体がデジタルスノー(白抜け)に覆われるか、全く何も映らなくなってしまいます。

Tektronixの表示では二つの弓なりの線が見えます。上を通る線が’1’の標準を表し、下を通る線が’0’の標準を表します。帯域幅が増加するのに従って、弓なりの線が曖昧になり、’1’なのに’0’に近づいていきます。逆もまた同様です。

いくつかの場合、ケーブルが1つのレベルで失敗したら、私たちが次のテストを行わなかったことを覚えておいてください。 同様に、私たちが、それが、より高いテストに合格したのを知っているなら、低いテストに進んでいないでしょう。

モンスターケーブル 2メートル($120)
FUTURE WORLD 1080p – PASS
FUTURE WORLD 1440p – PASS

HDMI 1.2a準拠の廉価なケーブル 2メートル($4.79)
REAL WORLD 1080p – PASS
FUTURE WORLD 1080p – PASS
FUTURE WORLD 1440p – FAIL

HDMI 1.3カテゴリ2公認の廉価なケーブル 2メートル(価格が分かりませんが、かなり安いです)
REAL WORLD 1080p – PASS
FUTURE WORLD 1080p – PASS
FUTURE WORLD 1440p – FAIL

XtremeHD HDMI 1.3 2メートル($20)
REAL WORLD 1080p – PASS
FUTURE WORLD 1080p – FAIL
FUTURE WORLD 1440p – FAIL

廉価な耐久性のあるカテゴリ2 2メートル($15.44)
REAL WORLD 1080p – PASS
FUTURE WORLD 1080p – PASS
FUTURE WORLD 1440p – (CLOSE) FAIL

廉価な壁用ケーブル CL2 10メートル ($35.17)
REAL WORLD 720p – PASS
REAL WORLD 1080p – FAIL
FUTURE WORLD 1080p – FAIL

モンスターケーブル 10メートル($230)
REAL WORLD 720p – PASS
REAL WORLD 1080p – PASS
FUTURE WORLD 1080p – FAIL

廉価な壁用ケーブル CL2 15メートル($53.64)
REAL WORLD 720p – PASS
REAL WORLD 1080p – FAIL
FUTURE WORLD 1080p – FAIL

あなたはモンスターケーブルの10メートルが「未来の世界」の1080pをパスしていない事に気が付きましたか?モンスターの人々は15メートルのケーブルがないのはテストするビルが無いからだと言いました。しかし事によると「現在の世界」の1080p信号の伝送さえ、廉価なケーブルよりちょっと良いだけかもしれないと疑っています。しかし、私たちはそれをテストしませんでした。

これらの結果から判断すると、短距離では手抜きでも大丈夫という、私の元々のポジションを繰り返さなくてはならないでしょう。しかし、間違ったケーブルがあなたの壁に取り付けられている状態で、あなたは捕らえられたくはありません。 プロジェクターがあっても、最初のうちは最初に30ドルのケーブルを買うのが賢いかもしれません。しかし機器をアップグレードする時は、ケーブルもアップグレードしてください。それはモンスターケーブルじゃなきゃダメかって?こんちきしょう、モンスターじゃなくてもいいけど、あなたはモンスターサイズの価格をそれに支払わなければならないかもしれません。

1つ大事な事は、20ドルのXtremeHDケーブルがボッタクリ価格であるように思えることです。それは5ドルのケーブルより、性能が良くありません。(彼らが10メートルのケーブルを販売しないのも納得です。)私は中間価格の出所の疑わしいケーブルに注意するように言うでしょう。Monopriceとの取り引きは、私たちが、少なくともそれらが、何を販売しているかを知っていると信じているように導きます、そのような物凄い割り引きのときにさえ。

チャンネルはそのまま、HDMI Cableバトルモードにしてください: モンスターケーブルの真実、パート3では、私たちの実験室で得られた基本的な結果が、家のテストになります。 Digital Serial Analyzerが「失格」と言っても、それは私の地下で問題なく働いていて、多分、私はBSと呼ばなければならないでしょう。 ウィルソン・ロスマン

Monster Cable [Gizmodo]

ソース:The Truth About Monster Cable, Part 2 (Verdict: Cheap Cables Keep Up…Usually)